日本中小企業学会東部部会の第1回オンライン研究報告会は、オンライン会議
システム「Zoom」を利用して開催され、活発な議論が展開されました。
■日時 2021年8月2日(月)17:00~18:10
■実施方法:Zoomによるオンライン報告
■参加者:21名
■【研究報告】
報告者:清晌一郎(関東学院大学名誉教授)
テーマ:「電動化・自動運転をめぐる自動車部品産業の再編成と系列下請関係
ー100年に一度の大変動の下で変容する日本的生産方式ー」
ホスト・司会:堀潔(桜美林大学)
報告内容:
自動車業界における電動化・自動運転化(いわゆる「CASE対応」)に伴う世界の自動車部品産業への影響によって起きている業界構造の再編成と系列下請企業に生じている関係性の変化が議論された。2016年に世界自動車生産台数のピークを迎えた行き詰りを突破する戦略として、世界の主要自動車メーカーの間では、CASE対応のための新たなプラットフォームの構築にむけた動きが活発化していることが指摘された。さらに、主要サプライヤーにおける研究開発資金の肥大化を示すデータや特定技術を保有する関連サプライヤーの合併買収が進むデータなどから、世界ではシステム統合構成部品を自由に購買する分散型競争購買型の再編の組織化が起きていることが示された。また一方では、トヨタ自動車のようにサプライヤーとの緊密な関係を重視した最初からシステム構築の最適統合を目指す「系列型」のもう一つの再編の組織化が起きていることが示された。報告後の質疑応答では、今起きている自動車業界全体の再編における日本国内の2次・3次サプライヤーへの影響や、こうした国内サプライヤー目線の戦略の捉え方、ものづくり技術分野の開発とCASE対応分野の開発の2つの異なる次元の開発強化と国内中小企業との関連などが議論された。
0 件のコメント:
コメントを投稿