日本中小企業学会東部部会の第2回オンライン研究報告会は、オンライン会議 システム「Zoom」を利用して開催され、活発な議論が展開されました。
■日時 2021年8月11日(月)11:00~12:10
■実施方法:Zoomによるオンライン報告
■参加者:24名
■【研究報告】
報告者:深沼光(日本政策金融公庫総合研究所)・山田佳美(日本政策金融公庫総合研究所)
テーマ:「外国人経営者の資金調達力の決定要因」
ホスト・司会:堀潔(桜美林大学)
報告内容:
海外出身の外国人経営者が増加している。しかし、金融機関からの資金調達が困難という経営課題に直面している経営者は少なくない。本研究報告会では、こうした状況を背景として実施された、外国人経営者の金融機関からの資金調達力の決定要因に関する研究の成果が発表された。まず2020年に実施された独自のアンケート結果に基づき、学歴が高く、留学等事業経営以外の目的で来日した人が多く、年齢も比較的低いという外国人経営者の特徴が紹介された。その後、複数の資金調達状況の指標を用いて行われた計量分析の結果として、日本語能力が高い外国人経営者は金融機関からの資金調達が容易であること、日本人の配偶者がいる場合現時点での資金調達が行いやすくなること、日本国内の出身国コミュニティーの支援は資金調達力を高めないことなどが報告された。最後に、分析結果に基づき、日本語能力(特に金融関連用語)の習得支援や金融機関とのコミュニケーションの円滑化に向けた支援の必要性などの政策含意が提示された。報告後の質疑応答では、外国人経営者のキャリアやエスニシティと資金調達力との関係、日本人経営者との比較の可能性など今後の研究の可能性が議論された。
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