日本中小企業学会東部部会の第5回オンライン研究報告会は、オンライン会議システム「Zoom」を利用して開催され、活発な議論が展開されました。
■日時 2021年8月22日(日)11:00~12:10
■実施方法:Zoomによるオンライン報告
■参加者:17名
■【研究報告】
報告者:難波 正憲(立命館アジア太平洋大学名誉教授)
テーマ:「グローバル・ニッチトップ企業の類型化―祖業と新製品開発の視点から―」
ホスト・司会:堀潔(桜美林大学)
報告内容:
GNT(グローバル・ニッチトップ)企業の祖業と新製品開発との関連性が議論され、産業の新たな趨勢がみられる中、中小企業におけるGNT製品創出のプロセスと要因を明らかにすることの意義が示された。半構造インタビューによるアンケート調査の結果から、GNT企業の①祖業との関連における位置付け、②GNT製品の保有数、③GNT製品創出の経路・契機・背景の3つの切り口から類型化を行い、
それぞれの関連性が紹介された。また日本とドイツとの比較分析から、両国における差異が示された。日本企業は外部から持ち込まれたニーズ(社会趨勢の変化)に対応する形で蓄積された社内資源をGNT製品創出に結びつけていく特徴がみられる一方で、ドイツ企業は自らの積極対応によるニーズの探索から祖業を維持しながらGNT製品を増やしていく特徴がみられることが指摘された。報告後の質疑応答では、祖業離脱型のGNT製品開発と祖業における人材・技術・市場との関連、受け身対応と積極対応における要因の違いが与えるGNT製品創出への影響、資金調達の方法、国内中小企業経営者への示唆などが議論された。
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