日本中小企業学会東部部会の第3回オンライン研究報告会は、オンライン会議システム「Zoom」を利用して開催され、活発な議論が展開されました。
■日時 2021年8月12日(月)12:00~13:00
■実施方法:Zoomによるオンライン報告
■参加者:26名
■【研究報告】
報告者:遠山 浩(専修大学)
テーマ:「産業集積と同族・ファミリービジネスへのガバナンス、アントレプレナー創出
ー技術集積の検討がポイントー」
報告内容:
産業集積におけるアントレプレナー、イノベーションの創出におけるファミリービジネスの可能性が報告された。産業集積を形成する起業の多くはファミリービジネスである。製品市場は産業集積内のガバナンスとして重要な役割を果たしており、アントレプレナーシップを発揮することで産業集積内への取引への参加のための条件ともいえる。この点でファミリービジネスはアントレプレナー輩出の重要な基盤といえる。また、ファミリービジネスの規模拡大に伴い生じるステークホルダーの多様化への対応、特に付加価値を創出し、分配することが必要となる。付加価値の分配は当該集積に優秀な人材(従業員を含む)を集めるうえでも重要である。こうしたプロセスにおいて重視すべきは技術集積と社会的情緒資産である。それぞれイノベーション、ガバナンスを効果的なものという役割を担う。報告では、以上の考察に基づき、付加価値の適切な分配を促すために福利厚生費に対する減税や、企業家輩出のための、同族・ファミリー企業の後継者育成、リカレント教育への支援などの政策含意が提言された。報告後のディスカッションでは、イノベーションにおけるファミリービジネスの役割や、都市型産業集積の広域化とアントレプレナーシップとの関連、産業集積内でのガバナンスのあり方などが全国大会に向けて議論された。
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